オススメ本ですの その3
「水中眼鏡の女」逢坂剛著
この小説で面白いのは、その診療の実際と平行して、千春が夫と過ごしている時間が章ごとに句切られてダブっていくことです。
ここでは千春は夫の功一の浮気に悩んでいる。
功一の後をつけて挙動を調べてくれるようコックの小寺五郎に千春は頼む。
千春のことを好きな小寺は彼女の言う通りにして功一の女を突きとめる。
つまり違った時間帯のものを同時進行の形にして話を進めていく巧妙な技法です。
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「水中眼鏡の女」逢坂剛著
この小説で面白いのは、その診療の実際と平行して、千春が夫と過ごしている時間が章ごとに句切られてダブっていくことです。
ここでは千春は夫の功一の浮気に悩んでいる。
功一の後をつけて挙動を調べてくれるようコックの小寺五郎に千春は頼む。
千春のことを好きな小寺は彼女の言う通りにして功一の女を突きとめる。
つまり違った時間帯のものを同時進行の形にして話を進めていく巧妙な技法です。
「水中眼鏡の女」逢坂剛著
ミステリーの筋書を追うのは野暮というものでしょう。
次の「ペンテジレアの叫び」も手のこんだ小説であり、小説の出来具合として、この方がいいのではないでしょうか。
永松陽介と美那子夫婦の物語。
しかし、普通の愛だの離婚だのというかったるい家庭小説ではありません。
陽介は賭けマージャンで負けたりしているキャバレーのマネジャー。
美那子は三鷹市の豪邸で求めていた病気の夫人の話相手になります。
その雇い主の夫婦の言動が、この小説のあやしげな雰囲気を作りあげています。
夫人は口もきけず、足も動かないで車椅子を使っています。
それは外科的な疾患ではなくて、精神的ショックのために起こった症状らしい。
今は精神科医が来て治療している、という状況設定が巧みです。
なお逢坂剛氏は今回の直木賞を受賞したが、その受賞作品は『カディスの赤い星』(講談社)です。
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