単純なこと

ベッドで眠る際に、きわめて単純なことを考えるという方法で、これには昔からすでに代表的ないくつかのアイディアがあり、一般に応用されています。


中でも効果的なのは、牧場の柵をとび越えていく羊の数をかぞえるという方法です。


牧場といってもごく簡単に、緑の平野を想像すればよく、背景などあまり詳しくは思い描かぬ方がよい。


山や川があったり木や家があったりしてはかえってややこしく、滝が落ちていたり氷山があったりするのは尚さらよくない。


単にオーストラリアあたりの平野部を想像すればよいのですが、これとて知らぬからと言いわざわざ見に出かける必要はない。


柵は視界の中央に一筋だけあって左右を分けているのがいちばん簡潔です。


次に登場してくる羊ですが、これも黒い羊なら黒い羊、白い羊なら白い羊と決めてそれだけを登場させねばなりません。


間違えても各種とりまぜて登場させたり、時には趣向を変えてなどと思い健む慨の羊、びっこの羊などを登場させてはならない。


すでに出てきてしまった時はこれはもうしかたがないから、なるべく気にしないようにし、今のは五体満足な普通の羊であったと思い、気を静めて次の羊を数え続けるのが好ましい。

オススメ本ですの その8

「雪のアルバム」三浦綾子著


津路子は清美を追いかけようとして、水たまりの深みに落ちて見えなくなる。

恐ろしくなると同時に意地悪ばかりする津路子がいなくなるのを喜んでいた。

家に帰ってもそれを黙っていました。

母のところに来ていた男たちの一人の加奈崎が、あるときからお父さんと呼ばれることになり泊まっていくようになった。

その男に清美がなつくようになったもてあそころ、母のいないある夜、そのお父さんに弄ばれてしまう。

中学高校に入ったころ、章との淡い恋が芽生えます。

だが、この小学生の時の幾つかの事件のもたらした彼女の心の傷はさらに深くなる。

加奈崎の本当の娘が同学年にいて、しかも同じ絵画クラブにいて章とも親しくしていたからだ。

この小説はかくして、愛とは、憎しみとは、許すとは何か、とさまざまな問いを投げかける骨格の太い小説です。

オススメ本ですの その7

「雪のアルバム」三浦綾子著

五歳の六月の初め、旭川のお祭の日、その日も清美は外に出されていた。

見知らぬ品のいい小母さんから声をかけられ、優しくしてもらって千円をもらった。

清美の名前も知っており、抱きかかえて涙を流したりつじした。

その千円札を遊び友達の津路子に見せると、どこかで盗んできたんだ、と言われる。

家の母にも雑貨屋の店の者にも、盗んだものと決められてしまってどうにもならない。

清美はそれから一人遊びをするか物置にひそんでいるようになった。

川原のジャリ採取場の跡地で一人遊びをしているとき、いつもいじめる津路子がやってきた。

船荷証券の意義

船荷証券とは、運送会社が荷主との運送契約に基づき、貨物を船積し、または船積のために受取ったことを証し、これを海上輸送して指定港において、その船荷証券の正当な所持人に対して、運送貨物の引渡を確約する有価証券です。


船荷証券は裏書によって譲渡することができます。


船荷証券は貨物の引渡請求権を表象する有価証券であるから、船荷証券の譲渡は貨物の譲渡と同じ効果を生ずることになります。


米英独仏等では記名式の場合、裏書譲渡は認められません。


話は変わって、fx情報ですが、日々チェックしていきたいものですね。

オススメ本ですの その6

「雪のアルバム」三浦綾子著

北海道は旭川の話です。

雪景色や春の小川や広い野原などと共に往時のアルバムを見るようにして清美の回想が綴られていく。

「雪のアルバム」という美しい題名は、この小説の内容にマッチしていると思えた。

母のところにいろんな男が時折くることを清美は幼ない頃から知っていました。

男が来ると百円を持たされて外で遊んでこい、と言われていたからです。

オススメ本ですの その5

「雪のアルバム」三浦綾子著

これは二十三歳の女性の信仰告白の小説です。

なぜキリストを信ずるに至ったかということを、原稿用紙三枚ぐらいに書けと牧師に言われて、とてもそれぐらいでは書けないと浜野清美は考える。

では枚数にこだわらずに書いてみるよりほかにない、というところからこの小説は始められている。

清美は、五、六歳の頃から自閉症児として親や先生たちから厄介視されてきた。

どうして物言わぬ子供になってしまったのか、そこからすでに子供らしくない陰のある日常に入っていく事件があった。

母一人子一人の生活で小さいながらも一軒の家に住んでいた。

オススメ本ですの その4

「水中眼鏡の女」逢坂剛著

ミステリーの筋書を追うのは野暮というものでしょう。

次の「ペンテジレアの叫び」も手のこんだ小説であり、小説の出来具合として、この方がいいのではないでしょうか。

永松陽介と美那子夫婦の物語。

しかし、普通の愛だの離婚だのというかったるい家庭小説ではありません。

陽介は賭けマージャンで負けたりしているキャバレーのマネジャー。

美那子は三鷹市の豪邸で求めていた病気の夫人の話相手になります。

その雇い主の夫婦の言動が、この小説のあやしげな雰囲気を作りあげています。

夫人は口もきけず、足も動かないで車椅子を使っています。

それは外科的な疾患ではなくて、精神的ショックのために起こった症状らしい。

今は精神科医が来て治療している、という状況設定が巧みです。

なお逢坂剛氏は今回の直木賞を受賞したが、その受賞作品は『カディスの赤い星』(講談社)です。

オススメ本ですの その3

「水中眼鏡の女」逢坂剛著

この小説で面白いのは、その診療の実際と平行して、千春が夫と過ごしている時間が章ごとに句切られてダブっていくことです。

ここでは千春は夫の功一の浮気に悩んでいる。

功一の後をつけて挙動を調べてくれるようコックの小寺五郎に千春は頼む。

千春のことを好きな小寺は彼女の言う通りにして功一の女を突きとめる。

つまり違った時間帯のものを同時進行の形にして話を進めていく巧妙な技法です。

オススメ本ですの その2

「水中眼鏡の女」逢坂剛著

彼女は三年前に婿養子をとって家から独立して夫婦でレストランを経営していましたが、去年その夫をなくした、その夫は焼死したといいます。

火事の原因は石油ストーブの失火によると警察で調べてある。

「わたし」は千春の病因はその火事にあるとにらむ。

火事の時に夫だけ死に、自分は生きのびました。

しかもどうして助かったか記憶にないといいます。

千春の失われた記憶を、精神科医のさまざまなテクニックで回復していこうとします。

オススメ本ですの その1

「水中眼鏡の女」逢坂剛著

「水中眼鏡の女」を含めて三篇のミステリーが入っています。

いずれも人間の深層心理を主題としていて、それだけに細かく複雑です。

「水中眼鏡の女」を見てみよう。

作中人物の精神科医「わたし」のところに、門倉千春という若い女性の患者がくる。

彼女は何故か水中眼鏡をかけたまま病院にやってきた。

しかもそのレンズはラッカーで真っ黒に塗りつぶされている。

彼女の症状は、目が光に感応して痛くて眼蓋を開けられないということだ。

しかも何度かたずねた眼科医では眼に異常はないといいます。

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